1時限目の記事で生命保険で対応できるリスクと生命保険会社の思惑について分かってもらえたと思います。
ただ、「じゃー、そのリスクを生命保険で補えばいいのね。」と考えるのはちょっと早すぎます。
生命保険より先に考えるべき対策があります。
この記事では下記の内容を解説します。
- リスクへの対策方法
- リスクへの備えの重要性
生命保険とリスクへの対策方法を学ぶ
リスクへの対策方法
リスクに対応するための手段は大きく言うとこの4つです。
- 回避(そんなことしない)
- 予防(そうならないようにする)
- 保有(自分でなんとかする)
- 移転(保険に加入する)
- リスクとは
リスクとは将来生じるかもしれない不利益のことです。
将来生じるかもしれない不利益に対してどう対策していくのか?
2時限目はそんなリスクへの対策方法を学んでいきましょう。
①回避(そんなことしない)
将来、不利益が生じる可能性が高く、かつその不利益も大きなものになることは避ける。
毎日、3食ラーメン。毎日、タバコは3箱。毎日、記憶がなくなるほど酒を飲む。
誰が考えたって病気になりますよね。
わざわざ病気になるようなことはしないと思います。
病気になるリスクが高まることはしない。
リスクがあるところへは近づかないということです。
身体のことだけではなく、台風の日に海水浴へ行く人もいませんよね。
わざわざリスクが高いことはしない。
②予防(そうならないようにする)
不利益が発生しないように、または、小さくするために努力をする。
軽い運動をする。規則正しい生活をする。ストレスをためない。
病気にならないためにちょっとしたことを心がける。
病気になるリスクを抑える。
なにか行動することでリスクが抑えられるのであれば、時間や労力を使ってリスクを抑えましょう。
リスクを低く抑える努力をする。
③保有(自分でなんとかする)
不利益が生じたとしても自分自身で補える範囲であれば、自分でどうにかする。
不利益が生じたとしても貯金でなんとかする。親に助けてもらう。仲間に助けてもらう。
病気になったとしても自分や周りの人でなんとかする。
自分で抱えることのできるリスクであれば抱える。
どの程度のリスクであれば、自分でどうにかできるのか把握しましょう。
自分の貯金や周りの協力でなんとかする。
④移転(保険に加入する)
とても大きな不利益が予想出来て、回避、予防、保有が困難な場合は保険に加入する。
不利益が生じた時に、家族や自分自身が被る経済的損害が大きく、避けることも、抑えることも、抱えることも困難な場合は他者へそのリスクを置き換える。
回避、予防、保有が難しいリスクに対しては保険へ加入し、そのリスクを生命保険会社へ置き換えましょう。
保険会社へリスクを置き換える。
- 遅刻を例にとってみましょう。
明日の朝am7:00駅前に集合。
ところが前日いつもam3:00くらいまで連れまわされる先輩から飲みのお誘い。
飲みのお誘いを断る→回避
頑張って早く帰るようにする→予防
朝は無事に起きることができた。
駅までは15分で着くことができる。
念のため20分前のam6:40に家を出た→予防
ところが途中でトイレに行きたくなり、公園のトイレに入る。
5分遅刻が濃厚。
怒られるだろうけど少しの小言くらい我慢しよう→保有
いやいや、怒られるのは絶対嫌だ。
1,000円で友人に怒られる役を変わってもらおう→移転
まぁ、この程度のリスクを移転する人はいないと思いますが(;^_^A
リスクをどこまで保有できるかは人それぞれです。
生命保険の優先順位は最後
リスクへの対策で検討すべき優先順位は①回避、②予防、③保有、④移転です。
生命保険保険への加入は最後の選択肢です。
リスク対策=生命保険と思っている人も多いと思いますが、そうではありません。
その理由はリスク対策④移転するが一番コストがかかるからです。
- コストとは何か?
コストと聞くと保険料、お金が思い浮かぶと思いますが、それ以外にも時間と労力があります。
保険に掛かるコスト
- お金
月払い、半年払い、年払いなど保障に対して支払う保険料。
形のない保険契約の中で目に見えて動くものなので分かりやすい。
- 時間
保険は長期の契約になります。どんなに短くても年単位となり、通常10年を超える契約がほとんどです。
そこに費やされる時間は膨大で無視できないコストです。
- 労力
お金は急に降ってわいてくるなんてことはありません。
保険料を支払うために収入がないといけませんし、家計のやり繰りも必要になることもあります。その労力もコストとして考えます。
全てのリスクを移転することができれば、安心感は大きいですが、
それにかかるコストも大変大きなものになります。
避けられるものは避ける、抑えられるものは抑える。
そして、自分で抱えることのできる小さなリスクであれば抱える。
- ちょっと強めに言いたい
保険選びでの失敗の大きなものに必要ない保険に入るがあります。
それは対策の手段として保険を一番に考えているからだと思います。
回避できること、予防できること、保有できることがしっかり整理できれば、
無駄なコストを使うような失敗はなくなるはずです。
どの対策を選んだとしてもコストはかかります。
しかし、生命保険へ加入するコストに比べれば小さなものです。
まずは生命保険以外の対策を考えましょう。
例であげた遅刻をとってみても回避→予防→保有→移転の順で考えています。
リスク対策はまず生命保険以外を検討しましょう。
なぜリスクに備えなくてはいけないのか
リスクとは将来生じるかもしれない不利益のことです。
あるかもしれないし、ないかもしれない。
なぜそんなものに備えが必要なのか?
トラブルは突然やってくる
予想もしない状況でリスクを伴ったトラブルは突然やってきます。
トラブルはなんの予告もなく訪れます。
そりゃそうですよね。
トラブルが予告してやってきたら、それはトラブルではなく単なる予定です。
起こることが分かっていることなので、十分な対応もできます。
なんの予告もなく訪れるからトラブルなのです。
「3日後の15時に、こういう理由でこんなクレームの電話しますのでよろしく。」
と、時間も内容も予告してくれるクレームであれば、突然のクレームに比べれば心の準備も資料の準備も十分にできます。
クレームの電話なんてないに越したことはないですが、前もって分かっているのとそうでないのとでは、対応は変わってきます。それはトラブルではなく、単なる予定です。
突然やってくるからトラブルなんです。
リスクに備えるメリット
リスクに対して事前に準備することで不利益を減らすことができます。
トラブルはいつどんな風に起こるかなんて誰にもわかりません。
そしてそれに伴って発生する不利益をゼロにすることはできません。
しかし、事前に準備することで不利益を減らすことは可能です。
上記の例であげた突然のクレームでは、予定していた作業が滞ったり、場合によっては金銭的な不利益を生じさせてしまうものです。
それを事前に分かるとまではいかなくても、そういうことが起こるかもしれないと常日頃から意識して準備しておくことでトラブルから生じる不利益は小さくできます。
リスクに備えることで不利益を小さくできます。
なんのトラブルも起こらない可能性はあります。
そうなると無駄な作業になってしまいます。
この無駄な部分がリスク対策にかかるコストです。
まったくコストをかけずにトラブルも起こらないそれが最高の状態ですが、
リスクを伴ったトラブルは突然やってきます。
無駄なことはしたくない気持ちは良く分かりますが、
リスク対策でコストがかからないものはありません。
4つのリスク対策とそのコストのバランスを考えて、備えることで不利益を小さくしましょう。