なんとなく聞いたことのある「高額療養費制度」。
でもよく分からない。
医療費がある程度の額を超えると、超えた分は戻ってくるらしい、、、
多くの皆さんがこのくらいの知識なのではないでしょうか?
病気になってしまった!?
そんな時にとても役に立つ制度です。
詳しく見ていきましょう。
高額療養費制度とは?
高額療養費制度とは、病院などの医療機関や薬局で支払った額が、ひと月(その月の1日から末日まで:4月なら4月1日から4月30日まで)で年齢や所得によって決められた上限額を超えた場合に、その超えた金額が戻ってくる制度です。
注意点
- 全ての医療費が対象ではない。
- 食事代
- 居住費
- 差額ベッド代
- 先進医療にかかる費用など
- ひと月とは、その月の1日から末日まで:4月なら4月1日から4月30日までのことで、過去直近1カ月のことではない。
自己負担額の上限
決められた上限額とはどれくらいなのでしょうか?
年齢と所得によって変わってきます。
《69歳以下の方の上限額》
適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) |
年収約1,160万円~ 健保:標準報酬月額83万円以上 国保:年間所得901万円超 |
252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
年収約770万円~約1,160万円 健保:標準報酬月額53万円~79万円 国保:年間所得600万円~901万円 |
167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
年収約370万円~約770万円 健保:標準報酬月額28万円~50万円 国保:年間所得210万円~600万円 |
80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
年収~約370万円 健保:標準報酬月額26万円以下 国保:年間所得210万円以下 |
57,600円 |
住民税非課税者 | 35,400円 |
70歳以上の方の計算方法は異なってきます。詳しくは厚生労働省のホームページ等で確認してください。
4回目から上限額が下がる
過去12カ月以内に3回以上、上記の上限額に達した場合「多数回」に該当し、上限額が下がります。
《69歳以下の場合》
所得区分 | 多数回該当の場合 |
年収約1,160万円~ | 140,100円 |
年収約770万円~約1,160万円 | 93,000円 |
年収約370万円~約770万円 | 44,400円 |
年収~約370万円 | 44,400円 |
住民税非課税者 | 24,600円 |
申請の方法
加入している公的医療保険に、支給申請書を提出または、郵送することで支給が受けられます。
国民健康保険
自営業者の人や無職の人とその家族が加入
協会けんぽ(全国健康保険協会)
中小企業のサラリーマンとその家族が加入
組合健保
大企業のサラリーマンとその家族が加入
共済組合
公務員や私立学校の職員とその家族が加入
国民健康保険に加入している人は各市町村の窓口、
サラリーマンや公務員などの勤めいる人は福利厚生の担当社員・職員へ相談しましょう。
支給までどのくらいの時間がかかるの?
受信した月から少なくても3カ月程度かかる。
申請後、各公的医療保険で審査をし支給されます。
審査はレセプト(病院や薬局などの利用機関から各公的医療保険へ提出する診療報酬の請求書)の確定後に行われるため一定の時間がかかります。
窓口での支払いを抑えられないの?
入院などをして窓口での支払いは医療費の自己負担分(3割)を一度支払って、
高額療養費の申請したのち上記にあるように3カ月程度の時間を経て支給されます。
その支払いが何十万となると大きな負担となります。
この窓口での支払いの負担を事前に抑える方法があります。
入院などをする前に、加入している公的医療保険から「限度額適用認定証」又は「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受け、医療機関の窓口でこれらの認定証を提示することで窓口での支払いを抑えることができます。
国民健康保険に加入している人は各市町村の窓口、
サラリーマンや公務員などの勤めいる人は福利厚生の担当社員・職員へ相談しましょう。
まとめ
こういった制度は「申請主義」です。
自分で申請しないことには制度の恩恵を受けることはできません。
医師と治療計画をしっかり相談し、なるべく月をまたがないようにし、
高額の医療費がかかりそうな場合には、事前に「限度額適用認定証」等の
交付を受けて、最大限負担がかからないようにしましょう。