こんにちは!ほけん道場講師のリョウです。
医療保険って、みんな入っているけど、
実際どれくらいの確率で入院するんだろう?って思いませんか?
今回はそんなことが気になったので計算してみました。
あと、「入院 確率」と検索すると、確率はわずか1%という記事をよく目にするけど、本当かな?と思っていませんか?
そんな所も掘り下げて解説しています。
患者調査の入院受療率に関しては、その後解説するよ。
入院する確率
よく目にする入院受療率を使って語られる確率がピンとこないので計算してみました。
- 全体 → 10.9%
- 30~34歳 → 7.3%
- 90歳以上 → 42.6%
計算方法は 入院件数 ÷ 総人口 です。
厚生労働省 平成26年 患者調査 閲覧第77表の平均在院日数(調査対象期間:平成26年9月1日~30日に退院した患者の在院日数の平均)の手術有、手術無を単純平均した日数で割ったものです。
- 入院する確率
上記のデータ条件で計算すると入院する確率は以下のようになりました。
年齢 | 入院確率 | 平均入院日数 |
総数 | 10.9% | 29.0日 |
20~24歳 | 3.5% | 12.6日 |
25~29歳 | 6.0% | 11.0日 |
30~34歳 | 7.3% | 11.4日 |
35~39歳 | 5.7% | 15.0日 |
40~44歳 | 5.2% | 17.9日 |
45~49歳 | 5.6% | 21.2日 |
50~54歳 | 6.2% | 26.1日 |
55~59歳 | 8.7% | 24.9日 |
60~64歳 | 10.4% | 29.2日 |
65~69歳 | 14.2% | 28.2日 |
70~74歳 | 17.5% | 31.7日 |
75~79歳 | 24.5% | 34.0日 |
80~84歳 | 34.0% | 36.9日 |
85~89歳 | 40.7% | 44.7日 |
90歳~ | 42.6% | 62.2日 |
あくまでも参考データではあるが、この計算から、その年齢の人口の内1年間で入院する人の割合とその平均入院日数を読み取ることができます。
■平成26年度年齢階級別の入院件数の推計
厚生労働省 医療給付実態調査 平成26年度「第4表 疾病分類別、診療種類別、年齢階級別、件数、日数(回数)、点数(金額) 制度・計」より
「第4表入院」タブの年齢階級ごとの日数を下記、平均入院日数で割って、小数点第一位を四捨五入し、入院件数として推計
■人口推計(平成26年10月1日現在)
総務省統計局 人口推計「第1表 年齢(各歳),男女別人口及び人口性比―総人口,日本人人口(平成26年10月1日現在)」より
■入院する確率
上記入院件数を人口推計の年齢階級ごとの総人口で割り、小数点第二位を四捨五入して入院する確率を推計
■平均入院日数
厚生労働省 患者調査 平成26年 閲覧第77表「退院患者平均在院日数,性・年齢階級×傷病中分類×手術の有無別」
上記表にある年齢階級ごとの手術ありと手術なしを単純平均し、小数点第二位を四捨五入
上記のデータを基に試算したものです。あくまで参考データとして見てください。
入院確率1%は注意が必要
「入院 確率」で検索すると厚生労働省の患者調査から入院受療率(人口10万対)を参考データにした記事を良く目にします。
このデータを基に入院する確率として捉えるのは注意が必要です。
なぜかというと、365日中1日の入院患者数を表した数字だからです。
患者調査は、3年に1回行われる調査で、10月中旬の1日を対象に行われる調査で、入院受療率とは、その調査当日に入院している推計患者数を人口10万に対して何人いるか推計したものです。
調査当日に入院していた人の割合なので、その日に入院する確率とするならば間違いではありません。
ただ、下の表を見てもらって、
入院する確率が全体で1%、30~34歳で0.3%、90歳以上でも7.8%って、ちょっとリアリティーがありませんよね。
- 全体 → 約1%
- 30~34歳 → 約0.3%
- 90歳以上 → 約7.8%
自分の周りをみての体感ベースだと、もう少し確率が高い気がしませんか?
その理由は、1/365日のデータだからです。
そういった所を注意して参考にしてください。
入院受療率(人口10万対)
年齢 | 総数 | 男 | 女 |
総数 | 1,036 | 972 | 1,096 |
0歳 | 1,167 | 1,208 | 1,124 |
1~4 | 169 | 191 | 146 |
5~9 | 86 | 94 | 77 |
10~14 | 94 | 100 | 86 |
15~19 | 113 | 116 | 110 |
20~24 | 158 | 134 | 182 |
25~29 | 235 | 159 | 314 |
30~34 | 291 | 199 | 385 |
35~39 | 296 | 248 | 346 |
40~44 | 311 | 327 | 296 |
45~49 | 398 | 442 | 354 |
50~54 | 552 | 628 | 475 |
55~59 | 758 | 888 | 628 |
60~64 | 997 | 1,188 | 811 |
65~69 | 1,305 | 1,560 | 1,067 |
70~74 | 1,712 | 2,002 | 1,457 |
75~79 | 2,448 | 2,715 | 2,233 |
80~84 | 3,633 | 3,818 | 3,505 |
85~89 | 5,326 | 5,409 | 5,285 |
90歳以上 | 7,815 | 7,433 | 7,936 |
厚生労働省 患者調査 平成29年 上巻第26-1表「入院受療率(人口10万対),性・年齢階級 × 傷病分類別」
医療保険をどう考えるか?
ここまで、散々確率について書いてきましたが、
保険を検討する時に、確率はそこまで気にする項目ではありません。
なぜなら、保険は起こる可能性が低くても、いざその問題が起こってしまうと生活が立ち行かなくなる、そんなリスクに備えるものだからです。
その問題が起こった時に、経済的に大打撃を受けてしまっても、それを軽減できるかどうかがポイントです。
そのリスクがどれくらいの大きさなのか?大打撃を軽減することができるのか?そのコストとして納得できるのか?そんなところに注意しながら医療保険は検討しましょう。
- リスクの大きさはどれくらいなのか?
- そのリスクを軽減できる保障なのか?
- コストとしての保険料は納得できるか?
ポイントについてもう少し掘り下げてみましょう。
- リスクの大きさはどれくらいなのか?
どれくらいの確率なのか?起こってしまった時にどれくらいお金が掛かるのか?
医療保険に限った話ではないのですが、保険を検討していたり、加入している人でさえ、どんなリスク(具体的な金額)に備えているか分からないままの人が意外に多いことにビックリします。
まずは、リスクについて具体的に把握しましょう。
入院した時にどれくらいのお金が掛かるのか気になったら↓
入院の費用の目安ってどれくらい?病気やケガでかかるお金の話
- そのリスクを軽減できる保障なのか?
リスクが把握できたら、そのリスクに対して、しっかりと機能できる保障があるのか見極めましょう。
医療保険の保障から給付を受けたときに、え!?これだけ?と保障が小さいと感じてしまわない為です。
例えば、よく目にする入院日額5,000円60日型という医療保険で、連続180日、約半年入院したとして、どれくらいの給付があると思いますか?
手術無の場合であれば、30万円です。
連続で1,000日入院したとしても30万円です。
- コストとしての保険料は納得できるか?
リスクが把握できて、保障も見極められた。それが無料で受けられるなら何も考える必要はありませんが、
保険には、保険料というコストがかかります。
保障に対して、納得できる保険料かどうかで判断しましょう。