こんにちは!ほけん道場講師のリョウです。
生命保険会社が潰れちゃったら、どうなるんでしょうか??
現在加入中の契約や保障はどうなっちゃうんでしょうか?
生命保険会社は民間の企業です。
潰れてしまう(破綻・破産)可能性はゼロではありません。
過去を振り返ってみても1997年~2008年にかけて
8社の保険会社が破綻しています。
そんな生命保険会社が破綻・破産、潰れちゃった!という状況になると
加入者の保険契約はどうなってしまうのでしょうか?
今回はそんなお話です。
目次
生命保険会社が破綻!契約や保障はどうなっちゃうの?
生命保険会社が破綻した場合、保険契約や保障が全くなくなってしまうということはありません。
死亡保険金や満期保険金が“0”になって、今までの保険料が全て無駄になることはないということです。
破綻してしまった場合でも死亡保険金や満期保険金はその支払事由に該当(死亡や満期を迎えた)した時には以下のようになります。
生命保険会社破綻後の保障はこうなる
- 当初の契約通り全額もらえる。
- 当初の契約よりは減ってもらえる。
- 影響を受けるのはバブル期の貯蓄型保険
影響を受けるのは養老保険や終身保険、学資保険と言った
生命保険会社が将来必ず保険金を支払わなくてはならない商品が
もっとも影響を受けます。
しかも予定利率の高かったバブル期に販売されたお宝保険と言われた
保険商品が影響を受けます。
- 破綻リスクはあまり気にしなくて良い
なので、
掛け捨て型の保障系保険商品であったり、
貯蓄系の商品であってもこれから加入される方は
そこまで生命保険会社の破綻リスクを気にする必要はないと思います。
「え!?そんなに心配することないじゃん」と
ちょっと安心しますね。
では、なぜそれが可能なのか?
それは「生命保険契約者保護機構」という存在があるからです。
生命保険会社の保険がある
生命保険会社が万が一、破綻した場合、資金援助等により、保険契約者の保護を行う組織がある。
言ってしまえば、生命保険会社の保険のようなものです。
その組織は「生命保険契約者保護機構」と言います。
生命保険契約者保護機構(以下「保護機構」)には国内で保険事業を行う全ての生命保険会社が加入しています。
生命保険契約者保護機構
生命保険会社が破綻した場合、その会社の契約を引き継ぐ会社「救済保険会社」が現れるか現れないかでその動きが変わってきます。
救済保険会社が現れた場合
保護機構はその「救済保険会社」への資金援助を行います。
救済保険会社が現れない場合
保護機構は子会社として生命保険会社「承継保険会社」を設立します。
その承継保険会社への保険契約の承継などを行うことにより、保険契約を維持し保険契約者の保護を行います。
そしてどちらの場合でも保護機構によって責任準備金等の90%まで補償されます。
ちなみに過去の破綻時には全て救済保険会社が現れています。
当初の契約よりは減ってもらえるとは?
前段にあるように保護機構は責任準備金等の90%まで補償します。
ここで注意が必要なことは、
保険金=責任準備金等ではない
ということです。
では、責任準備金等とはなんなのか?
それは解約返戻金とほぼ同じと思ってください。
解約返戻金については保険証券や契約時にもらった設計書で確認できます。
例えば、
2020年に満期を迎えて
満期保険金が200万円もらえる養老保険があったとして、
その解約返戻金が
2018年⇒180万円
2019年⇒190万円
と推移するものとします。
そして2019年にその生命保険会社が破綻した場合には
190万円×90%=171万円
この171万円が保護機構の補償してくれる額になります。
そして満期までの残りの1年、運用された額がプラスされて
満期保険金として支払われます。
なので保護機構の補償は
満期保険金200万円×90%=180万円ではありません。
生命保険会社の破綻の可能性を計る
生命保険会社の破綻リスクはそこまで気にしなくても大丈夫!
といってもその可能性は低い方が良いですよね。
その破綻のリスクを計る指標がある。
ソルベンシー・マージン比率
保険業法で定められた生命保険会社の健全性を示す指標。
生命保険会社の支払い余力を示すもので、
200%以上であれば、保険金などの支払い能力が充実した状況とされ、
200%を下回ると金融庁から是正措置が勧告される。
格付け会社による格付け
スタンダード&プアーズ(S&P)・ムーディーズ・格付投資情報センター(R&I)といった会社があります。
各社評価の表記の仕方は違いますが(AAAとかA+など)Aという評価であれば高い評価と言える。
まとめ
生命保険会社が破綻した場合には生命保険契約者保護機構が契約者の保護を図る。
保障系の商品では保険会社の破綻リスクを気にしなくてもよい。
破綻リスクを計る指標がある。