保険の勉強をしようシリーズで伝えたい事は、自分にとって適正な保障を適正な保険料で手に入れるために勉強をしようという事です。
なぜ、勉強が必要かというと適正な保障なのか?適正な保険料なのか?それを判断する知識を得るためです。
これまでの簡単なおさらいをすると、
- 生命保険を考える前に考えるべき対策がある。
- 公的保険は手厚く用意されている。
- 貯蓄がリスク対策においても大事。
- お金の価値は変わるので長期の契約は注意。
- 必要な保険といらない保険がある。
今回は生命保険が活用できる分野や時期には限界があることを説明した記事です。
また、その分野がどこで、時期はいつなのか詳しく解説しています。
この記事では下記の内容を解説します。
- 生命保険に限界とその理由
- 生命保険が活用できる分野と時期
生命保険の限界を学ぶ
生命保険には限界があります。
だから、生命保険に入ったからすべてが安心という幻想は捨てましょう。
生命保険は上手く活用すれば、とても素晴らしい制度です。
ただ、過信してはいけません。すべてのリスクに対応している訳ではありませんし、経済的損失がゼロになることもありません。
限界があるからこそ仕組みとしてなりたっています。
こういう時には役立つと限定されているからこそ役に立ちます。
生命保険の出来る事をしっかり知って、上手く活用しましょう。
生命保険の限界とその理由
- 経済的損害をゼロにはできない
- みんなが得をするは不可能
- お金の価値は変わる
- 必ず見直しが必要
- 必ず起こる事には弱い
①経済的損害はゼロにはできない
生命保険ではトラブルで生じた経済的損失をゼロにすることはできません。
保険は経済的損失を軽減する存在で、将来乗じるかもしれない不利益を抑えることが役目だからです。
例えば、収入の柱となる人が亡くなって生命保険に加入してたとしたら何千万円という保険金が支払われます。
その何千万のお金をとってみても亡くなった方が将来に渡って稼ぎだすであろうお金に比べれば少額です。
②みんなが得をするは不可能
生命保険はトラブルの生じた一部の人を救うためにあります。
多くの人が少しの損をして、大きな損を受けた人を救うのが生命保険です。
全ての人に支払った保険料以上の保険金を支払っていては保険の仕組みがなりたちません。
いやいや、養老保険の満期保険金や終身保険の解約返戻金などは支払った保険料よりも多く戻ってくるじゃないかと言う人もいるかと思いますが、そのために割高な保険料になりますし、そこまで費やした時間もコストと考えると「やった!得した!」とは言えません。
生命保険で救われる人は一部に限られます。
文字にするとすごくネガティブに伝わりそうで心配ですが、保険とはそういう仕組みです。
小さな損で大きな損に備えるのが保険です。
自分の小さな損で他人を救えるかもしれないし、自分も救われるかもしれない。
そのことが納得できないうちに保険に加入することはやめましょう。
③お金の価値は変わる
生命保険は遠い将来の備えにしては心もとない。
なぜなら、お金の価値は変わります。その時期が遠い将来であればあるほど、可能性も変動の幅も大きくなるからです。
30年前に比べてその価格が2倍になっているモノもあります。
100円で買えたモノが200円支払わなければ買えなくなったわけです。
30年後にもらう予定の保険金や医療費の備えにしている保険が期待している価値を30年後にも保てているか考えずに保険に加入することはやめましょう。
④必ず見直しが必要
生命保険は一度加入したら、ずっと安心ではありません。必ず見直しが必要です。
子どもが生まれた。家を建てた。そんなライフイベントの発生や変更があれば、生命保険も見直しが必要です。
保険業界でよく謳われている文句で「最低でも10年に1度は見直しを」なんてのがあります。
つまり、保険を最大活用できる時期は意外に短いということです。
10年前に加入した生命保険は役に立たないとは言いませんが、期待している結果を生み出さない可能性があります。
⑤必ず起こる事には弱い
保険は起こるかもしれないし、起こらないかもしれない。そんなリスクへ備えるためにあります。必ず起こる事にはめちゃくちゃ弱い存在です。
保険料はなぜ若い時には安くて、高齢になればなるほど高額になるのでしょうか?
リスク発生の確率が高く、保険金の支払の確率が高いからです。
高齢になれば、悲しい事ですが人の死は必ず訪れます。
生命保険会社としても保険金の支払いの確率が高いのであれば、それ相応の保険料が必要ですし、保険料が高いということは大きな保障を用意することも困難です。
保険で必ず起こることへの備えをするのは非効率です。
生命保険が活用できる分野と時期
大きなリスクがある分野
生命保険が活用できるのは大きなリスクがある分野です。
小さなリスクにコストをかけて保障を用意しても意味がないからです。
例えば、病気やケガでの入院はその日数が短期化されている傾向があったり、高額療養費制度などを活用することで大きなリスクではなくなるはずです。
リスクとは将来生じるかもしれない不利益のことです。
何が起こった時にリスクが大きくなるのかを把握して生命保険を活用しましょう。
大きな保障が用意できる分野
大きなリスクに対して大きな保障が用意できないのであれば意味がありません。
大きなリスクがあるのにそれに似合う保障が用意できないのであれば、そのリスク対策に生命保険を選ぶのは不正解です。
収入の柱となる人が死亡した場合のリスクは大きくなる可能性が高いです。その備えとして終身保険や養老保険などで準備するのは間違いです。
将来必ず保険金がもらえる商品なので、保険料が高くなり、保障を小さくしてしまいがちです。
本来備えとして必要な額を用意できない保障であれば意味がありません。
そう言った貯蓄型の保険と割安な掛け捨て型をバランスよくという提案もあると思いますが、予定利率が史上最低水準の今、保険でお金を貯めることに魅力はありません。
貯蓄が少なくリスクの保有が難しい時期
貯蓄が少なく自身でリスクを保有することが難しい時期が生命保険を活用する時期です。
トラブルが起こって不利益が生じた時は、まず自分自身の貯蓄で補います。
その貯蓄で全ての不利益を補えるのであれば生命保険は必要ありません。
リスクの保有って?と思ったら
20代や30代などの若い世代、特に子育て真っ最中の家庭であれば、なかなか貯蓄を増やしていくのは難しいものです。
そういった、貯蓄が増えづらくリスク保有が難しい時期に保険を活用しましょう。
まとめ
保険が活用できる分野も時期も限界がある。
分野や時期が限定されるからこそ、保険は最大活用できる。
人生における様々なリスクを全て保険で補おうと思ったら莫大なコストがかかります。
大きなコストで大きな保障を得ても保険の意味をなしません。
もちろん、大きなコストで小さな保障は論外です。
生命保険に出来ること出来ないことを見極めましょう。
生命保険は10年スパンで考えて、小さなコストで大きな保障を得ることで最大限に活かされます。